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某大手企業の最終面接時に出た質問1~沖縄の駐留米軍は必要か否か?

先般(2013年7月下旬)に、某上場企業の総務担当役員と会食する機会がありました。彼とは某勉強会を通じての20年来の友人なので、いつも忌憚ない意見交換をしている仲です。

の彼が、新卒の応募者の最終週面接において応募者に発した質問は、非常に奥深いものがあると思います。

その質問とは、「君は、沖縄の駐留アメリカ軍をどう思いますか?駐留アメリカ軍は日本にとって必要か否か、君の意見とその理由を聞かせてください。」と、言うものでした。その友人を仮にY氏として、彼との会話を問答形式で綴ってみました。

私:その質問は新卒の応募者には難し過ぎるのではないですかね?

Y氏:いや、沖縄の駐留アメリカ軍の存在意義をどこまで考えているか。そして世界情勢、特に東アジア情勢を鑑みた時、彼らの情報収集能力と分析力、地政学的知識、それらを元にした推理力と洞察力を見たかったのですよ。

私:そう言うことですか。それでYさんは彼らにどういう答えを期待していたのですか?沖縄駐留アメリカ軍の存在は可とすると言う答えですか?それとも否と言う答えなんですか?

Y氏:可でも否でも、どちらでも良いですが、否と答えた人に対しては、情報分析能力が欠けていると判断したでしょうね。

私:ほほう。と、言うと彼はどう答えたのですか?

Y氏:「駐留アメリカ軍の存在は可」と答えました。彼は中々の者ですよ。その理由が歴史を踏まえた推理力に富んだもので、しかもシミュレーションとしては十分あり得ると言う示唆を含んだ現実的な内容でしたね。

私:彼は「駐留アメリカ軍の存在は可」と答えて、どんな理由を述べたのですか?

Y氏:彼は先ずこんなことをポツリと言いました。「中国は相川輪図の覇権国家ですね。菅野武帝の時代と同じですよ、今の中国政府のやり方は。歴史に学べないのは中国側だと思います。」そこで私が、「沖縄駐留アメリカ軍と中国の覇権主義とどういう関係があるのですか?」と聞いたのです。

私:何か話が飛躍しているような・・・?

Y氏:いやいや理路整然としていましたな、彼の話は。彼の話の概略はこう言うことなのです。彼は、

「中国は、沖縄が琉球と呼ばれていた時代に遡って自国領土だと考えています。尖閣諸島問題を見ても判るように、現在の日本政府は相手の言いなり、相手が強く出れば引いてしまうと言う体たらくです。私に言わせれば腰抜け国家で、とても国家の呈をなしているとは思えません。超法規的措置と言いながら船長を釈放したりすることは、国際法や国際慣例を自ら犯していると思います。法治国家ではなくて人治国家ですよ。中国と同じだと思います。

もし、沖縄駐留アメリカ軍が撤退したら、沖縄には既に多くの帰化中国人や旅行者がいますので、沖縄に独立宣言させて、駐留アメリカ軍に替わって、人民解放軍が駐留する事になると思います。確か中国政府は、中国国籍の人間は中国と日本が戦争状態に入った時には、日本に住んでいる中国人全員が戦闘要員となると言う法律を制定していると聞いています。沖縄にある駐留アメリカ軍は、そう言う覇権国家に対する保険だと思います。」

どうですか、彼の見解は?

私:なかなか勉強していますね。シミュレーションとしても十分説得力がありますし、日本政府の対外政策や外交政策についても勉強していますね。ところで彼のことですが、内定を出したのですか?

Y氏:もちろん、即刻内定を出して希望する部署まで聞きました。

私:彼の意見は最もだと思います。日本人の多くが声には出しませんが、彼と同様の思いを秘めているのだと思いますね。

いかがですか、微妙な問題を質問した友人の勇気と、若者らしい真摯な見解を述べた応募者に脱帽です。