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会社「を」面接! 希望の会社に就職するための就活術 後編

面接のポイント③ モノ

最後のポイントは「モノ」です。「モノ」は「ヒト」と同じ資産ではありますが、ほとんどの場合人と違って必要に応じて容易に交換することができます。

例えば社内には、注意喚起や社内広告のポスターや標語など、さまざまな掲示物があります。社会人スポーツのチームを持っている企業であれば、選手の応援ポスターなどがあるかもしれません。そのポスターが不自然に色あせていたり、あるいは破れたりはがれたりしているようであれば注意が必要です。

基本的に掲示物は、一定の期間の掲示が終わったら新しいものに交換します。それが色あせているということは、新しいポスターを作成する余裕がなかったり、または社内掲示物というものを軽んじている会社であるかもしれないというリスクが読み取れます。

掲示されている標語や注意喚起が何年も前の日付であれば、この数年は新しい標語を社内で募集するような雰囲気ではないということかもしれません。それが、業績がうなぎのぼりで、雑務に割いている時間が一時的にないからというような理由であればよいのかもしれませんが、社員同士が交流する機会が減っていたり、幹部社員が社員の意識向上を行う必要性を感じていなかったりするために、イベントなどを行う時間が無駄だと判断されて削減されているのであれば、それは非常に危険です。

あるいは、設備などはどうでしょうか。セキュリティ事故を防ぐためのカギ付きロッカーなのに、扉が開けっ放しになっていたりしないでしょうか。もしくは鍵が壊れてしまっていたり、来客者の目に付くようなところに鍵掛けが設置されていたりしないでしょうか。もし問題があるようなら、近いうちに重大なセキュリティ事故を引き起こして新聞の一面を飾ってしまうかもしれません。

他にもオフィスに掛け時計を設置している会社も多いかと思いますが、その時計の時刻は性格でしょうか。あるいは、複数ある時計の時刻がきちんとそろっているでしょうか。時計の時刻がきちんとセットされていないオフィスでは、時間管理がだらしない傾向があります。会議が約束した時間に始まらなかったり、大して意味もない残業にだらだらつき合わされたりといった問題が発生している可能性が高いです。

さらに、オフィスの机に個人用のマグカップやお菓子があるか、観葉植物はあるか、症状などがあるか……などによっても、いろいろなことが読み取れます。

いかがでしたでしょうか。今回は一般的な分析指標としてもよく用いられる【ヒト・カネ・モノ】の観点から、企業の本当の姿を探るヒントをご紹介しました。今回ご紹介したポイント以外にも、様々な観点から会社の実態を知ることができます。

会社を知るためにはOB訪問をしないといけないのか、職場体験に応募しないといけないのか……などと難しく考える必要はありません。これらのポイントは、面接というごくごく普通の機会を活かして知ることができるのです。

面接という、就活生なら誰でも経験する機会を有効に活用して、その会社が本当に、あなたという人材が働くのにふさわしい会社かどうかを検討してみてはいかがでしょうか。