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会社「を」面接! 希望の会社に就職するための就活術 前編

仕事(職場)は、これから生活していくためのお金を稼ぐ手段であり、これから定年まで、一日のほとんどの時間を過ごす場所であり、自分自身の経験をどのように積み重ねていくかにも大きくかかわってくるものです。

ですから、学生(就活生)の立場からすれば、就職活動は自分の今後の一生を決める大きなイベントです。

一方で、企業の側からすれば、たくさんの学生がわが社に入りたいと集まってくるなかから優秀な学生をより取り見取りであるため、どうしても就職活動におけるパワーバランスは「企業>学生」と思われがちです。

しかし、実際には企業も、優良企業でなければ学生が集まらなかったり、せっかくお金と時間をかけて学生を採用しても内定辞退されてしまったり、と、必ずしも学生に対して絶対的な強者として存在しているわけではありません。むしろ、あなたが優秀な学生であればあるほど、あなたのほうが企業を選ぶ立場になれるのです。

特に、就職活動における選考過程としてほぼどの企業でも採用している「面接」は、就活生にとっても、将来働くかもしれない会社と生で触れ合える貴重な機会です。ですから、「企業に面接される」のではなく、「私が会社を面接する」というつもりで臨みましょう。

面接のポイント① ヒト

まず見るべきポイントは、なんといっても「ヒト」です。「ヒト」とはすなわち従業員であり、企業にとっては資産の一つです。

面接にあたり、まず接することになる「ヒト」は、面接官や会場案内をつとめる社員でしょう。ほとんどの場合は、その会社の人事部の社員もしくは幹部社員が面接を行いますが、場合によっては会場案内を人事部以外の新人が任されているなどということもあります。それは、本来別の仕事をすべき人材をあえて会場案内のような平易な仕事に割り当てているということになります。

そのような状況に遭遇したら、「本来の仕事の発注が少なくなっていて、手が空いている社員がいるのではないか?(=業績に不安がある?)」「部署を超えて様々な経験をさせようという意図があるのか?(=キャリアパスの変更が容易?)」のように、さまざまな背景を推測することができます。そして、その推測を、他の社員の様子や会社側の説明などと合わせて発展させることで、一見しただけではわからない本当の会社の様子をつかむことができるのです。

他にも、単純に社員に笑顔があるか(まだ午前中なのに暗い顔をしていないか?)、お昼休みのエレベーターホールはランチに行く社員で賑わうのか、来客者(就活生も立派な来客です!)に対して挨拶はあるか、など、見るべきポイントはたくさんあります。

面接のポイント② カネ

次に見るべきポイントは「カネ」です。「ヒト」や後述する「モノ」よりも、目に付く機会が少ないですが、その分はっきりとしたメッセージをうけとることができるポイントでもあります。

ずばり、面接に関連するお金の流れを見るのがポイントです。例えば、面接前に応接室に通される企業は多いと思いますが、そこにお菓子などが用意されているでしょうか。そのお菓子は、いくらくらいの値段のものでしょうか。あるいは、お茶が出されるでしょうか。コップは紙コップですか、それともちゃんとしたカップや湯呑み茶碗でしたか?

また、選考を受けるに当たり、交通費を支給してくれる会社が多くあります。最近は景気もあまりよくないため、基本的には複数回選考があるうちの終盤25%くらい、面接で言えば役員面接や社長面接あたりまで進むと、合否に関わらず交通費を支給してくれることが多いようです。また、遠方からの志望者には、宿泊費等の支給がある場合もあります。

これらに関して、全く支給がされないというのは、はっきり言ってケチな会社です。就活生は、やがて会社の資産である社員になるかもしれないのですから、いい社員を取るための必要経費を支払うのは当然のことです。

一方で、最初の面接から交通費を支給したり、あるいはことさら高価なお菓子を待合室においていたりする会社の場合は、無駄な支出を容認しやすい風土かもしれません。よその会社に比べて、きわめて金払いが悪い、あるいは派手ということがあれば、それは要注意なのです。