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セキュリティ重視のメール管理術・1 宛先管理

「コンピューターウィルスに感染してホームページ改ざん」「ファイル交換ソフトを悪用されて機密情報漏えい」「セキュリティホールをつかれて顧客情報流出」等々、情報化社会において情報セキュリティに関する事件は多く発生してきました。

その結果、社会でも情報セキュリティに対する問題意識は非常に高まっており、一つのセキュリティ事故が会社のイメージを一気に失墜させるようなことにもなりかねません。特に「きちんと対策すれば防げる」ような内容の事故に対しては世間の目は非常に厳しく、うっかりミスで済ませることは最早できません。

本シリーズでは全5回にわたり、メール管理に関連するちょっとした工夫をお伝えします。個人レベルで少し気を付けるだけで、うっかりミスなどによるセキュリティ事故を防ぐことが出来るかもしれませんので、あまりきちんとメールを管理していないという方がいらっしゃったらぜひ取り入れてみてください。第1回は「メールの宛先管理」についてです。

メール関連で多いのが、やはりメールの誤送信に関する事故です。宛先を間違えたり勘違いしたりということが原因で、本来送りたかった人と別の人にメールを送ってしまったり、ある人に知らせるべきではない情報をうっかりCCなどで送ってしまったりということです。以下は実際に発生した誤送信の例です。

(例1)メールアドレスを登録していなかったので……

Aさんはお客様であるBさんから、興味深いセミナーの案内をもらいました。参加可否の返信をしなければいけなかったのですが、メールを受信した時点では社内会議の日程が未確定でセミナーには参加できない可能性があったため、即時返信できませんでした。

数日後、社内会議の日程が決まってセミナーに参加できることが確定したため返信しようとしたのですが、受信したメールのアドレスを登録していなかったため、Bさんに直接「ご案内いただいたセミナーに参加します」というメールを送ったところ、Bさんから「恐れ入りますが案内メールに対し直接返信いただけますか」と注意をされてしまい、その後しばらくメールのやりとりがぎくしゃくしてしまいました。

(例2)メーラーの設定を流用したら……

Cさんの使用しているメーラー(メールソフト)では、初めて受信するアドレスでも、そのアドレスに含まれている個人情報の設定を流用して、自動で氏名表示をしてくれる機能があります。

先日取引先D社で人事異動があり、新しく担当部長になった田中誠二さんからご挨拶のメールが届いていました。後日、Cさんが社内経理部の田中清二さんに見積書を送ったところ、D社の田中誠二部長から「このメールは私宛でしょうか」というコメントと共に返信が……!そう、CさんはD社の田中誠二さんと、社内の田中清二さんを間違えて送ってしまったのです。

いかがでしたでしょうか。似たようなミスをしそうになった人(あるいはしてしまった人)もいるのではないでしょうか。このようなミスを防ぐためには、アドレスに登録する宛先名は、氏名だけでなく会社名や部署名まで記載してわかりやすくしたり、あるいは「返信不可」「問い合わせ窓口」のようにわかりやすい一言を添えるようにしておきましょう。

よい登録名称の例

  • [送信専用]Q社エキスポ案内
  • T社)浜田様(営業4課課長)
  • 開発部)田中ひ(経理システム担当)

特に、社内の人は(上司や先輩であっても)敬称を付けない、社外の人は必ず「社名+名前+様」のように、間違えないような自分ルールをつけて、必ずそのルールに従って登録するようにしておきましょう!