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スタイリストって実際どうなの?就職を考える人に贈るお仕事ファイル

今や女性誌の総発刊数が100を超える日本。女性のオシャレに対する関心がどれほど高いものかがよくわかります。

女性だけではなく男性もオシャレに対して敏感である昨今では「好きなスタイリングをするスタイリストの名前はチェックし、その人が手掛けている雑誌は気にしている。」という上級者もいるほどです。

性別を問わずオシャレに興味がある人にとって「スタイリスト」は一度は憧れる職業かもしれません。今回はそんなスタイリストの世界で活躍する一人の女性から、仕事の内容や、賃金、適性があるタイプなど詳しくお話しを聞くことができました。スタイリストに興味がある!という人は是非、チェックしてみてください。

いったいどうすればいいの?スタイリストまでの道のり

筆者自身「スタイリスト」という職業はかなり専門職の強い、特定の進路をたどってきた人にしかなりえない印象がありましたが、今回お話を伺ったKさんはもともと普通科の高校を卒業した後、しばらくは服飾とはまったく関係のない仕事をしていたといいます。

「数回目の転職で靴屋さんの一般事務をした時に、よくスタイリストの方(厳密にいうとアシスタント)が靴のリースにやってきました。もともとファッションがすごく好きだったので、おもしろそうな仕事だと思い、気が付いたらスタイリストの世界に飛び込んでいました。」

一口でスタイリストの世界に飛び込むと言っても、そう簡単に飛び込める世界なの?と疑問に思ってしまったのも事実。しかし雑誌で「スタイリストのアシスタント募集」がされていたり、スタイリストのホームページにてアシスタントの募集があったりと、実際の門戸は想像より広い様子です。Kさんの場合、アシスタント技術を学べる教室をインターネットで探し、技術取得後に派遣事務所から仕事先を斡旋してもらいました。

気になるアシスタント業務!スタイリストになる為の試練の期間

スタイリストの仕事はまず、アシスタント業務からスタートします。

「アシスタントの仕事はまず、撮影時に指定された商品のリース作業から始まります。商品をアイロンがけなどできれいな状態にしたら、スタイリストのコーディネートチェックを行います。それが終わったらロケバスに積み込み作業です。」

コーディネートチェックとは、スタイリストが決めた服や小物のコーディネートをしっかりと組んでおいておく作業のこと。その際にやらなくてはならない作業が他にもあるといいます。使用するアイテムのクレジットを確認してメーカーやプライスを記入したり、靴底に裏ばりを貼ったり。アイテムのリース元と、運ぶ際にバラバラになってしまう可能性もあるためスタイリストの決めたコーディネートを頭に叩き込んでおく必要もあるのだとか。

「撮影場所に到着後、商品のアイロンがけをしてセットします。撮影が終わったら、リース時の状態に戻すため商品のケアを行います。リース元に商品を返却して、業務終了です。」

就業時間も現場により様々な上、アシスタントの給与は週4,5日働いても10万円代が一般的といいます。なかには「スタイリストについて勉強しているのだから無給」という厳しい条件下で働いている人も。Kさんもアシスタントの給与だけでは生活が成り立たず、夜のアルバイトで生計を立てていたとか。また撮影場所は都内が多いため、都内にアクセスしやすい環境に身をおいておくこともおススメだといいます。

アシスタント期間はその人の資質などによっても異なり、早ければ半年でデビューする人もいるそうですが「アシスタント期間はほぼ3年」といわれている為、根性と情熱がなければ乗り越えられない「スタイリストになるための試練の時間」といえるでしょう。

厳しいアシスタント時代、乗り越えるために必要なものとは

まず、アシスタントに要求されるのが「自分で察知し、行動する」能力だとKさんは語ります。日々スタイリングテクニックを現場で吸収しながらも、現場での気配りを忘れないことが必要とされるのです。

「雑誌や番組によって現場の雰囲気は大きく異なりますが、喜怒哀楽の激しいスタイリストさんもいて、ピリピリした現場が多いのも事実です。その中で、タレントやモデルに不快な思いをさせるがないよう気配りも必要です。何しろコネクションが直接仕事量につながる世界ですから。」

いかに気持ちよく周囲に仕事をしてもらえるか考えることも重要であるというスタイリストのお仕事。大変なことも多いようですが、スタイリングが上手にマッチした時「制作にたずさわった充実感」が何よりも嬉しいといいます。

スタイリング力に加えて、コネクションを作るためのコミュニケーション能力や、臨機応変に対応する察知能力が必要不可欠であるスタイリストのお仕事。スタイリストを目指す人はそれらの能力を磨いておくといいかもしれません。