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事務仕事は視線を受けていると能率か何倍にもあがる!?

緊張感の少ない事務的業務が組織の退廃を招く

机上業務は大別すると「執行業務」と「企画業務」の二つに分類できる。二つの業務は見た目には同じに見えるがまったく異質である。

業務効率を上げるためには業務の特質をつかみ、その業務に最も適した環境をつくりだすことが重要となる。環境整備を仕掛けることで、これまでになかったくらいの組織効率を上げることができるのだ。

ここでいう「執行業務」とは日常くり返される事務的業務のことであり、「企画業務」とは創造・発想業務と理解していただきたい。

まず、「執行業務」。つまり毎日くり返される事務的業務を効率的に行うための環境づくりだ。事務的業務は毎日着実に積み上げていくことが重要な業務であるが、そこには毎日くり返すという慣れから生まれる惰性や慢性化という問題が潜んでいる。日常的業務は慢性化をつくりだすとともに、緊張感を損なっていく。それは「順応」と言う人間の特質上から生じる、避けようのない現象である。

順応によって生じる緊張感の欠けた業務は思考能力を低下させ、目標そのものを見えなくさせるのだ。つまり、緊張感のない日常業務が組織を退廃させることになる。ここを変えることが組織にとって重要な課題であり、活性化の動力源でもある。

惰性と慢性化の日常業務に緊張感をつくりだす方法

人間は思考する動物である。しかし前述のとおり思考する必要がなければ「考える」行為そのものが忘れられてしまう。単純作業のくり返しでは頭脳をフル活動するほどの必要がないのだ。

日常業務が複雑な業務であっても、毎日続けていれば「慣れ」が生じる。慣れはやがて緊張感を奪い、慢性化する。この時点で単純作業に変化するとともにミスも発生しやすくなる。

これを防止するには適度な「緊張感」を持たせる必要がある。緊張感を持たせる効果的方法として「多数の監視」がある。文字どおり多数の人間によって監視するのである。ようするに業務内容を見える化するのだ。

もちろん「見える化」とはいっても個人情報や機密情報もあることだろう。そこまで「見える化」する必要はない。「見える化」するのは働く姿勢だ。他人に「見られている」と意識づけることで緊張感を持たせるのだ。また、がんばっている姿を「見せたい」という意識も生まれてくる。これを働きがいに結びつけるのだ。

人事異動で常に新鮮職場にする

その緊張感も順応化によって慣れてしまうということもある。そこで必要になるのがさらなる刺激ということになる。さらなる刺激は「人事異動」である。新たな業務内容に就くことで緊張感をともなったリフレッシュできるのだ。

一人の労働者が長い年数、ひとつの業務に精通するのは良いことだろう。しかし、精通と同時に発生するのが慣れであり緊張感の喪失だ。これが堕落につながり「不正」に発展する事件も起こりうる。こうした事件は起こるべくして起きた組織の欠陥である。組織を新鮮に保つためにも常に働く人をリフレッシュさせることだ。それが働く人の精神衛生上も好影響を与えることになる。

全社一丸となった企画会議のゲリラ戦でリフレッシュ

ゲリラ戦は「チェ・ゲバラ」がとった戦術として有名だ。少数が多数に立ち向うときの戦術だ。少数で多数を撃破するには神出鬼没の闘いが功を奏するのだ。このゲリラ戦術が組織のリフレッシュにも活用できるのだ。「異業種交流」や「居酒屋会議」など、従来の会議形式を打ち破る会議を設けることで、気づかなかった意見や盲点をえぐり出すのだ。

ただし、ゲリラ的会議にも最低限のルールは必要だ。たとえば、発言者に対する誹謗中傷の禁止である。どんな発言をしてもいいが、その発言内容をもとにして諍いを起こすようでは逆効果になる。そこで絶対ルールとして「誹謗中傷の禁止」が必要となるのだ。

出された意見は必ずしも前向きなものばかりではないだろう。不平不満も出されるだろうが、その不平不満も職場の事実として受け止めることだ。受け止めることで働く者の目線も変わる。自分たちの意見を組織は聞いてくれる。自分の発言が仕事に生かされると変わるようにすることがネライだ。企画会議をゲリラ戦とすることの意義はこれから先注目されるかもしれない。

ダンドリ工程表による通過点目標設置でリフレッシュする

上記の組織リフレッシュ方法とは別に、業務目標設置によるリフレッシュ方法がある。それは業務のダンドリ工程管理である。

業務目標の期限を決め、その目標到達に至るまでの工程表をつくること。行程には到達するまでの節目となる通過目標を掲げるのだ。この目標をクリヤーしたら飲み会などを設営するのもいい。ようするに通過目標達成を身体に刻み込ませることで、職場のリフレッシュを活性化させるのだ。

慣れから生じる惰性と慢性化を克服するにはまだまだいろんな試行錯誤ができるだろう。それを考え出す命題を与えることも職場のリフレッシュにつながる。