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白衣の天使?!羽を生やしたい人はチェックしたい看護師のお仕事2

【白衣の天使?!羽を生やしたい人はチェックしたい看護師のお仕事1】では、看護師が非常に体力が必要なことや、昨今では様々な雇用形態から自分に適した働き方を選べることを現役看護師であるMさんから伺いました。

―早速なんですが、今回は白衣の天使が直面する現実についてお伺いしたいんですが。体力面だけでなく、近年騒がれている看護師不足の問題というのは現場でも感じるものなんですか?

「看護師が不足しているという事態は、やはり現場でも感じる機会が多いですね。不足している分、看護師の負担が大きいように感じます。それが原因で若い看護婦は医師と揉めることもあったり(笑)。」

職場では医師のサポート業務も行うために、本来ならば医師ができる雑務を押し付けられて「それくらい自分ですればいいのに。」とついつい漏らしてしまう看護師もいるのだとか。傾向としてはMさんが語るように、まだ達観できない若い看護師が多いといいます。

「対人関係の苦労といえば、医師以外では患者さんとのトラブルも挙げられますね。外来であれば診察時間が遅いであるとか、入院患者さんであれば入院環境に関する様々なクレームであるとかを受ける機会が多いです。」

クレーム処理というのはどの職種でもツラいもの。ましてや医療現場となると患者側としてもセンシティブになっている場合が多いので、矢面に立たなくてはならないのは大変だろうとお察しいたします。

そういえば筆者も看護師をする友人から「患者さんからセクハラまがいの行為を受けて困っている。」との話を聞いたことがあります。ナースというジャンルは男性にも人気があるのでその影響もあるのかも知れませんが、このような事態も看護師の仕事をする上でストレスを生じさせる原因になるかもしれません。

「対人関係以外でも、大きな病院では特に自分の得意な科(分野)に配属されなかったりして悩む子もいますね。看護師という職業だけの話ではないかも知れませんが、やはり自分の得意な分野、苦手な分野がありますから。」

看護師の業務の中にも得意不得意があるとは、正直考えたことがありませんでした。でも確かにあってもおかしくないですよね。これからは採血されると痛い看護師さんにあたっても(ああ、この人は苦手な業務をさせられているんだなあ)と考えるようにします。

―それにしても体力的にキツイ、対人関係でもトラブルに合いがちな白衣の天使の現実って…。お話を伺うと、なんだか看護師になりたいと思う人が減ってしまうくらいハードだと思うんですが(笑)。それでも看護師を続けている、看護師の魅力ってなんだと思いますか?

「人と接することが多い仕事です。人と関わることが一番大変な反面、患者さんとの関わり合いがその分大きな喜びをもたらしてくれます。

看護師になりたい人が覚えておきたいこと

―付き合い下手な筆者の心が洗われるようなお話を伺ったところで、看護師に向いている人とはどんな人か教えていただけますか?

「やはり人間が好きということが第一条件だと思います。あとは最近の看護学校では技術実習が少ない傾向にあるので、現場に出てからも技術や知識をどんどん吸収する意欲のあることも大切な条件だと思いますね。」

究極の接客業とも言える看護師の仕事ですから、もちろん人間が好きで人付き合いの上手な人材が看護師に適しているというのは納得です。ただそれはMさんの「看護師としての理想」を語る上で不可欠な要因でもあるとか。

「基本的に現代の医療では、医師は患者ではなく病気と向き合っている人が多いように感じます。それでは医療と患者の間に隔たりが生じてしまいますよね。医者が病気を見るなら、看護師は患者自身に目を向けなくてはならないと思うのです。」

病気を患っている場所以外でも患者の様子に目を配り話を聞くことができれば、医療に対する満足度を大幅に上げることができるとMさんは語ります。ただ現状ではニーズがあっても総合的に患者を見て的確なアドバイスができる人材が不足していることから、そのような人材を育成することが医療現場の急務であるといいます。

患者側としてもそのような看護師が病院に居てくれれば頼もしい限りです。しかし看護師ならばケースワーカーでは対応できないような相談に乗れるとしても、病院側がその看護師を要所に配属する費用を捻出することが難しいのも現実だとMさんは話します。

「すぐに改善するのは難しいとしても、医療従事者は患者本位の診療が提供できるよう今後努力を重ねていかなければならないと思います。これから看護師を目指す人には患者さんと真摯に向き合うことを、しっかりと考えてほしいです。

白衣の天使になるためには、やはり患者を思いやる天使の心が必要なようですね。今後も沢山の天使たちが医療現場で活躍することを切望します。