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「社内公用語は英語」日本企業でも英語が必要とされる3つの理由

楽天やユニクロなど、有名な企業が社内公用語を英語にすると発表して世論が割れたことを皆様覚えていらっしゃいますでしょうか。他にも日産やシャープのような、純日本企業の間にも、英語の波は広がっています。これらの企業はグローバルに展開をしているので、英語力が必要とされるのもわかります。

しかし、よくわからないのは「グローバル企業ではないのに英語を重要視している会社」です。就職活動時に英語関係の資格を持っていると評価が高くなるとか、入社後に英語関係の資格を取得すると奨励金が出るとか、社内昇進の条件に英語力(TOEIC650点以上など)が設定されているとか、グローバル企業でないなら、業務上英語を使うこともそれほどないと考えられるのに英語力を求められる……そういう企業は実は少なくないのですが、それはなぜなのでしょうか。

理由① 情報収集に役立つから

業務の一環として、市場のトレンドや新技術の動向など、情報収集を行うことは少なくありません。そうしたときに情報源となるのは企業のHPや論文などですが、日本語のHPだけを参考にするのと、英語で書かれたHPも参考にするのとでは情報源の量が何十倍も違います。英語で書かれたホームページや外国製品のマニュアルなど、英語が読めるだけで情報源は10倍にも20倍にも広がるのです。

特にソフトウェアのオンラインマニュアルなどは日本語訳がない場合もあります。例えばWindowsパソコンのトラブルでマイクロソフトのページを閲覧したとしても、日本語マニュアルがないことがあります。その時にマニュアルがないからと、わかる人をしらみつぶしに探したり、勝手に訳した日本語であたりをつけて検索をしたりしても、求めている情報にたどり着くことはとても難しいですし、たどり着くまでに膨大な労力を必要とします。

しかし、もし英語ができれば、英語のサポートページがあるでしょうし、仮になかったとしても英語コミュニティでユーザの質疑が活発にされているケースなどもあるので、そういうところから情報が拾えるのはとても強いのです。

理由② 将来グローバル化を視野に入れているから

日本は人口が一億人を超えており、国内市場だけでもかなりの経済規模を持っています。しかし、貧富の格差や高齢化社会、あるいはエコ活動などにより消費が減っている昨今、日本の限られた市場にとどまらず、世界を対象に事業を拡大したいと考えている企業は決して少なくありません。

今は国内だけで展開している企業でも、五年後、十年後には海外進出を果たす計画があり、今からグローバル要員を育成しているという可能性もあります。海外部門を持っている企業であれば、社員の英語強化を行うようになればほぼ確実に海外向けに事業を拡大する予定があるとみて間違いないでしょう。

理由③ なんとなく

①・②の理由には明確な目的がありましたが、中には特に理由もなく、ただなんとなく英語を重要視しているという情けない企業もあります。

社員の英語力を強化することで会社がどうなるのかという明確なビジョンはなく、ただなんとなく「他社がやっているからわが社も追従しよう」「グローバル企業っぽい雰囲気を出せるから、イメージ戦略として英語をアピールしよう」「社内公用語のニュースが出ているからわが社もそれに乗っかろう」程度の理由で英語力強化を社内ビジョンに取り入れてしまうような会社もあるのです。

もし勤めている会社がそういう会社だとしたらちょっと情けない気持ちになるかもしれませんが、そこは発想の転換で、勉強して資格を取れば、自分の英語スキルの強化にもなるため、昇進や転職には間違いなく有利になります。

一方で、会社がちゃんと海外展開などを考えているわけではないので、英語ができることを理由に急な海外転勤を命じられたり、外国との窓口部署に転属させられたりというリスクも(グローバル企業に比べたら)高くありません。安全安心に、場合によっては会社のお金を使って、自分のスキルを上げられるチャンスだとみなし、奨励金だけおいしくいただいて、いずれ英語が必要となる時に備えておきましょう。

いかがでしたでしょうか。理由は様々ですが、英語は世界一話者の多い言語であることは事実です。英語ができることで自分の見識を広げる役にも立ちますから、「会社のため」の前に「自分のため」と思って英語を勉強してみるのも良いかもしれませんよ。