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人付き合いが苦手な人にピッタリな就職先は、ズバリ農業

タイトルを見ると農業が気楽な業種のように思えてしまう。テレビでも女優さんが農業生活を楽しんでいると紹介され、脱サラ農業が芸術家の一員であると錯覚してしまいそうだ。しかし現実はまるで違う。農業で暮らしてくのは想像以上に過酷だ。低収入と高労力の身体が資本職業なのだから。

私が農業をお勧めしたい人は、組織の仕事に疲れ、人間関係に疲れきった人。しかし農業にも人付き合いはある。会社のような組織的人付き合いほどではないが、農村社会での一定のつながりは必要だ。これがなければ農産物の販売収入を得ることが出来ない。人はなかなか仙人にはなれないもの。

低収入、高労働。でも心の自然療法が得られる

会社組織のように命令に従って、自分の意思を封印して働く必要がない。毎日が自然との対話で成り立っている。気分は解放されるが、身体は肉体疲労に支配されることになる。でもこの肉体疲労が次第に心地よい疲労となるところが農業の面白いところかもしれない。ということで、心を病んでしまうような状況下で転職したい人は、農業を選択するのもいい。

農業は自分が社長で社員でもある

農業に憧れる人の多くは未経験者。未経験者故に農作業の厳しさや辛さを知らないもの。反面、子供の頃農作業を経験した人は「農作業は辛い作業が多いので嫌だ」という意見が多いもの。ところがこの意見、農業の本質を知っていそうで知らないのだといえる。

子供の頃経験した農作業は、嫌々ながら手伝っていたケースが多いのだ。「嫌々手伝う」ことほど苦役となってしまうもの。でもいまの農業は違う。作業も機械化によって効率化し、楽になった。それ以上に異なることは、自分の意志に従って作業するということだ。

「手伝う」のではなく自分のことをするのだから疲れよりも喜びや発見のほうが多い。それは農業を楽しむということだ。だから、未経験者のほうが農業の喜びを得やすいかもしれない。さて、では現実的にどうやって農業に就業すべきか。以下の方法がある。

技術の習得方法

農業の離職率は高まるばかり。山間地になるに従って使われていない農地が激増している。行政では「遊休農地」と呼んでいるが、草に覆われた荒地が山間地を包み込んでいるような農村地帯もある。

行政はこうした遊休農地対策として就農者支援に取り組んでいる。この就農者支援策を活用することだ。インターネットで調べれば自治体によって様々な支援内容がとりくまれていることがわかる。

まずは農水省の就農支援「農業を始めたいみなさんを応援します!(http://www.maff.go.jp/j/new_farmer/)」というサイトをご覧いただきたい。なんと年間150万円の給付金を受けての技術研修も用意されている。未経験就農者ならばこうした行政支援の活用を優先すべきだ。こうした技術研修を経るなかでどういう農業をやりたいかが見えてくるものだ。

農業で独立するための投資とアイデア

  • 農地は借りなさい
  • 農業用機械は中古で充分
  • いきなり無農薬栽培はするな
  • 直売所でいかにして売るかに勤めの経験を生かしなさい
  • 販売ロゴをつくりなさい
  • 栽培管理は几帳面にすること

多くの農家は「機械化貧乏」といわれる言葉があるほどだ。機械化・効率化によって耕作面積を拡大し、収入が増えた多くが農業機械の返済に回ってしまうのだ。就農時に新しい機械に投資したのでは機械の返済金に追われることになる。

就農したばかりでは販売収入を見込むことさえ難しいものだ。3年目から次第に収益が見込めるようになるものだ。それまで余計な投資はしないこと。機械も中古で充分。農地は借りるのが絶対条件だ。まちがっても購入してはならない。就業する地域の農家にいけば使っていない農業機械があるのでそれらを安く譲り受けるなど、対人関係が重要だ。

直売所での販売はアイデア次第だ

昔からの農家は栽培するまでが農業で、販売は農業分野と考えていない。しかしいまは直売所がいたるところに建てられている。道の駅などには農産物直売所が必ずある。その直売所での販売することをメインに取り組むことだ。直売所販売のメリットは市場出荷などと異なり、規格品外でも売れるところにある。規格品でなくても品質が良くて美味しければ売れるのだ。

しかし、ただ出荷しただけで売れるものではない。出荷商品の看板が必要なのだ。看板はお客さんの需要に応える内容でなければダメ。手書きでもいいしパソコンでつくるのもいい。「これなら買ってみたい」と思わせる商品宣伝をすることだ。こうしたアイデアは旧来の農家には無い。そこが転職就農者の強みだ。技術の未熟さをアイデアで補うこと。それが直売所での販売方法なのだ。

また、自分の農産物・販売物をその直売所のブランド化にすることもアイデアだろう。どうやってリピーターをつくるか。栽培するだけの農業から「製造から販売まで」の一貫した農業。果ては観光農業なども視野に入れることが出来れば、転職した農業での人生展望も広げることが出来る。農業に転職するなら夢を持てる農業に挑戦しよう。