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医療コーディネーターの仕事って実際どうなの?その2

【医療コーディネーターの仕事って実際どうなの?その1】でもご紹介した佐藤麻実さんから、今回は医療コーディネーターのお仕事内容や気になる報酬までインタビューしていきます。

実際どうなの?医療コーディネーターのお仕事内容

患者と医療機関の溝を埋め、橋渡しをしてくれる医療コーディネーターの存在。では、実際のお仕事内容とはどのようなものがあるのでしょうか?「医療コーディネーターのお仕事は、まず患者さんやそのご家族からの相談を受けることから始まります。」

医療コーディネーターのお仕事は、基本的にコーディネーターと相談者の個人契約となっています。相談者は医療コーディネーターからの紹介や、他の相談者からの口コミ、ホームページなどから医療コーディネーターの元へと連絡をします。

電話やメールなどでコーディネーターと連絡を取ったら、次に面談を行います。面談では相談者の直面している問題や、不安に耳を傾け具体的な対策を練っていきます。

「相談内容は多岐に渡ります。一番多い相談内容はやはり治療を含めた医療に関してのものです。」

あらかじめ患者側がどのようなことを知りたいのかを聞き取りした後で、診察に同行します。患者と共に医師からの説明を受け、患者さんの知りたい事に関する質問なども行います。

大病を患った経験があればわかるのですが、患者側からの医師への質問はなかなかしにくいものです。医療の知識的な問題であったり、一人にそれほど多くの時間を割けない医療現場の現実を肌で感じ取っているために、拙い説明を果たして辛抱強く聞いてもらえるものか不安が伴うからです。

実際に質問をして医師から煙たがられたり、ひどいケースではすらすらと専門用語を並べられた後で「これがあなたの質問への回答ですが、理解できましたか?」と対処をされた経験を持つ患者さんもいるのだとか。

医療の知識があるコーディネーターが診察に同行してくれれば医師としても効率的ですし、患者としても不快な思いをすることなく不安に対するケアを受けることができて、双方にとってまさに架け橋となるお仕事かもしれません。

「その他には病院とのトラブルについて相談される方もいらっしゃいますね。」

診療や入院に際して、病院側とトラブルになるケースも実は少なくないのだといいます。

たとえば病院職員から冷たい態度をとられてしまったり、診療に満足していないケースには、コーディネーターが実際に現場へ出向き「相談者がどのような部分に納得できないのか」を確かめます。その上で医師との仲介を行ったり、満足できない診療機関と判断した場合には転院先の手配なども行います。

また病院は気に入っているけれど、今の主治医がちょっと…。というケースに関しても、医療コーディネーターが間に入り手配をしてくれます。患者側から「主治医を変えてください」と言い出すことは(気まずくなったりしたらどうしよう…)など、病院との今後の付き合いを考えると勇気のいることで、いざ自分が患者側に立つと言い出せない人も多いのが現状ですから、心強いサポートの一つと言えるでしょう。

「その他にも医師と連携をとりながら終末医療を行うこともあります。家で最期を迎えたいというニーズは、実は結構多いんですよね。」

患者がどのように病と向き合い、どうしていきたいのか。それらを医療的見地から時にアドバイスし、時に共に考えながら、患者それぞれのニーズに合わせた生活をサポートしていくことが医療コーディネーターの仕事であり、今後ますます需要が高まっていきそうです。

気になる報酬額は?

それでは報酬額について。ズバリ、医療コーディネーターのお仕事だけで生計を立てることはできるのでしょうか。「医療コーディネーターのお仕事だけで生計を立てようと考えると、必要な額が人によって違うとは思いますが何十人のクライアントを抱える必要がありますね。」

一番最初に行われる面談の費用が30分5250円で、所要時間はだいたい2時間。かかった交通費や、宿泊代は相談者から支払われます。また病院への診察に同行する際には半日単位の値段設定がされています。

医療コーディネーターとしてお仕事を成功させるには、一つ一つの案件に対して真摯に取り組んでいくことが一番の近道であるかもしれません。優秀なコーディネーターの話を聞いたら「是非、うちもサポートして欲しい」と考える患者や家族は多いものです。

患者が弱者となりがちな現代医療制度の中で「医療コーディネーター」のお仕事は、暗く閉ざされた病との戦いに一筋の光明を灯す存在となりうるのではないでしょうか。佐藤さんのようなコーディネーターが世に一人また一人と貢献していくことを心から願わずにはいられません。

(医療コーディネーター 佐藤麻美さん http://sato.mc-station.com/webroom/home