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年収ですか?悪い年で2000万円程かな?外資系ファンドマネージャー

  • 基本年俸:1200万円
  • 歩合給:営業利益の1%~
  • 勤務時間:08:30~17:30
  • 休日:土曜・日曜・祝祭日、年末年始(7日間)、GW、夏季休暇(10日間)
  • 有給休暇:年間10日間~
  • 福利厚生:社保・厚生年金・労働保険加入
  • その他:採用時のポジション毎に社内規定に準ずる

この就業条件、皆さんはどう思われますか?魅力的ですよね。これからの話は、私がメンバーになっているS大OBで運営している勉強会のメンバーから聞いた実話です。

転職で順風満帆と思えたが

彼(A氏とします)はS大卒業後、10年ほど日系の金融機関で、主に外国債券の売買などに携わって来ました。ある時、ヘッドハンティングの会社から前述のオファーを受け、何度かの面接の後に意気揚々と転職を果たしました。

そこで待っていたのは、6ケ月間の試用期間と第一営業部の部長代理と言うポジションでした。A氏は6か月後にめでたく部長に昇進し、個室ももらえ、自分でもこれからの人生は順風満帆と感じたそうです。

そして、部長昇進後の役員達との最初の会議の席上、「君は優秀だから、部署を統合してそこの統括部長として活躍してもらいます。」との事例をもらったそうです。

そして、「今後は統合する部署の営業目標も君の責任で束ねるように。」と、釘を刺されたそうです。

地獄の日々を送ることに

A氏は後日述懐していましたが、詰まる所、成績の良くない部署をA氏の部署に統合して成績を上げようとの目論見だったのです。早速、統合される部署の経営資源を確認したところ、人的資源については全く目も当てられない有様だったそうです。

仕方なくA氏は、本来の自分の部署のスタッフと統合される部署のスタッフとのタッグ体制を組み、営業活動に取り組ませたのですが、思うように機能しなかったとのことです。ミスも多発するようになったそうです。

彼の部署は3交代制のシフトを敷いて24時間の営業体制です。A氏はファンドマネージャーの立場として、ミスがないようにするために、休日返上、週2回は徹夜、年末年始、GW,そして夏休みも無し、と言った状態が約半年続いたそうです。

帰宅もままならず、徹夜以外の日は07:00出社、帰宅は24:00といった地獄の日々の連続だったと言っていました。

転職がきっかけで家庭崩壊の危機も

確かに収入面では、前職よりも格段に恵まれていましたが、反面、心と体はほとんど壊滅状態、そして、家庭崩壊も視野に入ったと言っていました。

結局A氏はその職場に2年半弱勤務した後に依願退職し、現在は某機械メーカーの財務担当として勤務しています。

余談ですが、家庭崩壊だけは何とか食い止めたそうです。いかがですか?あいだみつおの詩ではないですが、「金が人生のすべてではないが、ないと不便、便利な方がいいな。」を深く考えさせられる実話ですね。