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一流のアスリートは根性が違う!働く姿から垣間見えた競技への情熱

トリノオリンピック出場。バンクーバーオリンピック出場。さらには世界選手権とワールドカップで銀メダルを獲得しているアスリート。

競技者としてスポンサーがつくようになる以前の話です。彼女は大会のある冬期に必要となる遠征費用を稼ぐために、それ以外の季節は地元で必死に働いていました。

やれることなら何でも、いつでもやる

派遣登録に来た時も、当然のことながら希望する仕事は短期か単発のみ。12月から3月まではまるまる仕事ができないため、必然的にそういう短いサイクルの仕事しか受けられないのです。

そのためいつでも職探しをしなければいけない状況ですから、その大変さは推して知るべしというところでしょうか。

その代わり、仕事の内容や就業曜日などにはこだわりませんでした。自分がやれることなら何でもやります、いつでもやります、という意気込みに溢れていたことを今でも憶えています。

「何でもやります」と言うわりに「あれはイヤ、これはダメ」と言う人は案外多いものです。むしろ、そういう人ばかりだったと言っても過言ではありません。

しかし、彼女は本当に何でもできる仕事はすべて受け、とにかく「お金を稼ぐ」ことに貪欲だったのです。それだけ、その競技にかける情熱が大きかったのでしょう。

炎天下でのティッシュ配りやチラシ配り。スーパーマーケットでの試食や試飲のデモンストレーター、クレジットカードの新規勧誘……などなど。

とにかく、本当によく働いていました。試食や試飲のデモンストレーターやクレジットカードの勧誘は、声をかけた相手全員が快く応じてくれるわけではありません。むしろ迷惑そうな顔をされたり、断られることの方が圧倒的に多いでしょう。

そのため、人によっては断られ続けているうちに覇気がなくなり、怖気づいてしまうこともしばしばです。そして、一度やって懲りてしまうのか、もう二度とやりたくないと次から仕事を断ってしまう人が後を絶ちません。

不満を口にせず、仕事も手を抜かない

しかし、彼女はそういう不満を口にしたことは一度もなかったし、仕事も手を抜かずによく働いてくれました。

働いている様子を何度か見に行ったことがありますが、断られても断られても、笑顔でデモンストレーションしている姿には本当に感心させられたものです。当然、派遣先での評判も上々だったのは言うまでもありません。

短期、単発の仕事をいくつも受けていたその当時は、まだ競技者としては芽が出ていませんでした。あれだけ頑張っているのだから、いい成績を残せればいいな、と本気で思ったものです。

きちんと仕事をする実績は充分だったので、出来るだけ時給も高くなるよう手配したことを思い出します。

そうこうしているうちに、ある時から彼女は派遣での仕事を探しにこなくなりました。もしかしたら、競技者としての人生に区切りをつけ、新たな道に進んだのかもしれない。

そんなふうに思っていたら、そうではなくて、なんとオリンピック選手になっているではありませんか!

努力ができる人は、些細なことでも本気で取り組める

初めてそれを知った時は本当に驚きましたし嬉しかったです。そして同時に、競技に対する彼女の情熱がいかに本気だったのかを改めて思い知らされました。

仕事に取り組む姿勢、仕事を選ばない根性。そういう真面目な性格だったからこそ、競技者としての自分をあきらめずに貫き通せたのでしょう。

一流になるための努力ができる人というのは、些細なことでも本気で取り組める人なのかもしれません。

彼女は次のソチオリンピックの出場を目指し、現在もまだ競技者として現役を続行しています。資金を稼ごうとなりふりかまわず喰らいついていた日々が、今も彼女を支えているのかもしれません。