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派遣でデータ入力の仕事をするならタイピングの速さ以外も要求される

ブラインドタッチが得意なので、データ入力の仕事がしたいのですが――。派遣としてデータ入力業務を希望する人から多く聞かれるセリフです。確かにデータ入力を専門とする場合には、タイピングが速いに越したことはありません。しかし、これだけコンピュータが普及した現代ではブラインドタッチができる人なんて腐るほどいます。

ところがブラインドタッチが出来る人がすべてデータ入力が得意かというと、実はそうでもありません。なぜなら実際のデータ入力業務ではタイピングの速さだけではなく、様々な要素が必要とされるからです。

データ入力で大切なのは正確な視線の移動

ブラインドタッチによるタイピングの練習をする場合、画面に表示された文章を入力するタイプのものがたくさんあります。この練習を重ねていくと確かにブラインドタッチそのものはどんどん速くなっていくでしょう。しかし、同じ画面を見ているので視線の移動がありません。

実際のデータ入力業務では対象となる書類と画面を視線が行ったり来たりすることになります。これを見間違えてデータを入力すれば『誤入力』ですから、正確を期する業務としてはいただけないことに…。

単純にタイピングが速いだけではなく、慎重かつ正確に入力対象を目で追わなければいけないのです。この「視線を移動させながら入力する」という作業は慣れないとなかなかスピードアップしません。おまけにかなりの疲労を伴うものなのです。人によっては肩こり、眼精疲労が高じて体調不良を起こしてしまうこともしばしば。

漢字が苦手な人にはむかない

データ入力業務の場合、数字のみをタイプするものもあれば、漢字、かな、カタカナを入力するタイプのものもあります。具体的には氏名や住所のような各種情報を入力するわけですね。この時、漢字が苦手な人は思いがけずかなり苦労することになります。

もちろん、読めない漢字であっても『手書き入力』などを使えば表示できないわけではありません。しかし、それはかなりのタイムロスになるのです。タイムロスの多い入力者=データ入力として不適当、ということは言うまでもありません。よほど珍しい漢字でない限り、正しい読み方であってもなくても正確な表示ができないことはかなりのマイナス要素となるでしょう。

テンキー入力も練習しておかないと幅広く対応できない

データ入力には数字のみをひたすら入力する仕事もあります。この場合はキーボードのテンキー部分のみを使用することがほとんどの作業となるわけです。テンキー入力は慣れている人と慣れていない人の差がはっきりとスピードになって現れます。速い人は書類に視線を固定したままほとんど手の位置を動かずに指だけを動かして入力することができます。

一方、慣れない人は書類と画面を視線がせわしなく移動し、手の位置も定まらずに入力するのでどうしてもタイプミスが発生しやすくなります。テンキー入力は変換がない分、ミスタイプのまま先へ続けてしまうため、誤入力率が高くなってしまうわけですね。そのため二度打ち、三度打ちという作業が必要になるのですが、タイプが遅い人が混ざると精度を一気に下げてしまうことになりかねません。

本気でデータ入力者になりたい人は画面だけ見る練習方法ではダメ

本気でデータ入力の仕事をしていきたいのなら、それに合わせた練習をしておくことをおすすめします。あくまでも画面を見るだけのブラインドタッチはすでにできている、という前提ではありますが…。

  • 新聞の記事を句読点まですべて正確に入力する。
  • 電話帳を利用して氏名、住所、電話番号を正確に入力していく練習をする。
  • 電話帳の電話番号や新聞の株価など、数字のみをテンキーを使って入力練習する。

これは別に読み取る対象が新聞や電話帳ではなくてもかまいません。手元にある雑誌や本、何か数字の並んだ書類など何でもいいのです。要は視線を移動させながら正確に入力する練習をすればいいわけですね。

データ入力者に求められるのはスピードに加えて正確さ。精度をあげられるよう反復練習することで、最小限の視線移動を体に憶えこませることが大切です。