そのしぐさを見落とすな!相手にOKと言わせるためのビジネス心理学
話す内容だけじゃない
ビジネスの場ほど、コミュニケーション能力の問われる場面は他にありません。話の内容や表情はもちろん、相手の何気ないしぐさや声色にヒントが隠されていることもあります。
今回はそんなチャンスを見逃さないためのコツについて簡単にお話します。
相手のこんなしぐさがサイン
一番わかりやすいのは、相手の体勢です。特に腕や体全体の姿勢がわかりやすいですね。
まずは腕。
話をしている間、相手の腕はどの位置にあるでしょうか?もしも腕を組んでいたら、話の方向性を変える必要があるかもしれません。
腕組みは「相手を信用していない」もしくは「考えに集中している」サインです。会って間もない関係であれば前者でしょう。推理もののドラマや映画で探偵役がよく腕を組んでいますが、あれは後者の意味が大きいのでしょうね。
腕を組む以外にも、自分の体の一部を触るのは「何らかの理由で不安を感じている」表れです。特に自分の鼻を触るのは「嘘をついている」サインとされています。
相手が風邪や花粉症でもないのにやたらと鼻を触っていたら要注意です。自分で耳を触るのは「話に飽きている」「話題を変えたい」気分であることが多いとされています。
次は全体の姿勢です。
話をきちんと聞いている・関心を持ってくれている場合は身を乗り出しがちになる傾向があります。体を引いている場合は逆に、関心のなさが現れます。
ビジネスの場で椅子にふんぞり返る人はそうそういないと思いますが、その場合は「俺はオマエより偉いんだよ!」というような居丈高な気分でいることを表します。これは体を大きく見せたいがための行動です。
他にも似たようなものとして、パーソナルスペースという言葉があります。精神的なテリトリーや縄張りのことです。家族や恋人、親友といった親しい人とは隣同士に座っても平気ですよね。
しかし、仕事だけの付き合いだったり初対面の人とではちょっと落ち着かない感じがします。これは本能的に「敵かもしれない存在がすぐそばにいる」と認識するため、緊張状態になるからです。
ですから、相手からこちらに近づいてくる場合は親しみを感じてくれているということになります。もっとも、パーソナルスペースの広さは個々人でかなり変わってきますので、一概には言えません。
時間帯も影響します
他にも、話をする時間帯によっても人の心理は変わります。
相手にこちらの要求を通したい場合、夕方に話をするのが最も有効と言われています。多くの会社で夕方は「もうすぐ仕事が終わる」時間帯ですから、リラックスしている可能性が高いのです。
売り込む側にとっては最も説得しやすい時間ということになります。逆に、午前中は聞き手の理性が働きやすいため、営業回りをするのは避けたほうが良いでしょう。
ちなみにこれを悪用したのがヒトラー。彼は元々巧みな話術を持った人でしたが、夕方に演説を行うことによって聴衆を虜にしたと言われています。
知っていれば役に立つ、かも
ここに挙げたのはほんの一部です。そしてそれぞれの動作が必ずここに挙げた意味を持つとは限りません。なぜなら、相手も意味を知っていた場合はわざとこういったしぐさを見せるかもしれないからです。
話の内容を主軸におきつつ、しぐさも参考にする程度が良いでしょう。上手く使いこなせば、業績アップにつながるかもしれませんね。