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健康志向に注目!東洋医学の資格を取得するメリット

東洋医学のルーツは、中国の漢方にあります。最古の医学書には神農本草教があり、古代中国ではさかんに人体実験が繰り返されていることが知られています。基本的な考え方は、陰陽、五行論、五臓六腑、気血津液などがあり、宇宙の運行と人間の生体機能の連動を探る医学です。

最近は、老人介護施設でも東洋医学の知識を応用した介護が行われるようになりました。東洋医学の初期知識を得るためには、本格的な中医学を学ぶ必要がありますが、ここでは、中国漢方ライフアドバイザー資格を紹介してみましょう。

中国漢方ライフアドバイザー資格は、通信講座で受講して本試験に合格すれば取得できます。合格率は80%なので、前向きに取り組んでいれば誰でも合格できます。ただし、中国漢方の初歩的な知識を学んだだけなので、資格を取ってからが本格的な勉強の始まりとなります。それなりの知識だけでは通用しない世界が中国漢方、東洋医学の世界なのです。

具体的には、通信講座で受講していくことになります。まず、基礎知識を身につけることから始めます。最初の関門は、陰陽論です。簡単に言えば、体の外側の線は陽、内股や脇の下などが陰にあたります。この陰陽は、常に気血津液で循環し、五臓六腑を制御して健康な状態を作り出そうと働いています。

その理論的根拠として、五行論があります。木火土金水は、それぞれに影響し合って、相生する関係と相克する関係を作っています。相生する関係としては、木は、火を作り、火は土を作り、土は金を作り、金は水を生み出します。対して相克の関係では、水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ関係になります。それぞれの因子は、五臓六腑に相対し、現象面は気血津液に現れてきます。そこに陰陽が影響を与えて体内で循環していくのです。

基礎理論は、比較的簡単に覚えることが可能です。しかし、実際には、病気の起こる原因として外部からの邪気を覚える段になってくると内容は複雑になってきます。風、暑、湿、燥、寒、火の外邪の相関関係、不内外因として労逸・飲食失節・外傷、病理産物としての痰飲・お血、七情の怒喜思悲憂恐驚と病気の起きる因果関係など、現象面を捉えた内容は、すぐに習得できるものではありません。さらに、気血津液と健康の関係などを学習していくと、おおまかに東洋医学の全貌が見えてきます。

介護施設などで必要な知識としては、五臓の変調を知って望診・接診できる知識を身に付けることが大事です。それによって、漢方薬の使用に際してのアドバイスができるようになります。

漢方薬は、例えば風邪をひいた時などに処方してくれる葛根湯のように、薬の構成比率が決まっている複合薬です。葛根2、麻黄2、大棗2、生姜2、桂枝1、芍薬1、甘草1をミックスした処方が葛根湯の正体です。比較的体力があり、発汗させて解熱作用に期待する場合の処方となります。

したがって、自然発汗のある場合や、高熱にうなされているような場合には決して処方してはいけません。漢方薬は、使用する病勢の時期によっても処方が違います。この違いが分からなければアドバイスしてはいけません。したがって、経験値を積んでいくことが大事になります。また、薬草にも興味を持ち、正しい知識を身に付けることが大切です。

就業場所としては、ドラッグストアーを始め、医療関係、福祉施設などや、美容関係でも注目されます。また、飲食関係でも医食同元の知識は重宝されるでしょう。しかし、安易に資格取得だけを考えていてはいけません。東洋医学も中医学も新しい可能性を追求して日々進化しています。

漢方薬も研究しつくされた分野ではありません。古代中国でさかんに人体実験がなされたように、新薬の研究も続けられています。医療の最前線に立ったとき、それらの情報をすべて知り尽くしているとは言えないはずです。

中国漢方ライフアドバイザーは、登竜門にしか過ぎません。地道に研修を続け、的確な処方ができるように訓練していなければ医療現場では通用しません。信頼され安全なアドバイスのできるポジションは、なかなか用意はしてくれないでしょう。東洋医学、中医学の研修を続けて、さらなるステップアップを目指すことが大切です。

東洋医学の可能性は、まだまだこれから発展していく分野です。今後は、アドバイスの持ち場も細分化されていくことでしょう。ともかく、最初はみっちりと基礎理論を身につけて資格取得に臨むことをオススメします。