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シニアの転職には、自分のスキルの棚卸が不可欠な理由

シニア世代で転職を考えるとき、まず最初の関門は、自分の技量にあった就職先があるかどうかの見極めにつきます。自分のスキルで対応できる会社が求人を出しているとは限らないので、自分自身のスキルを棚卸して他の業種にも対応できるかどうかチェックします。これで、転職する職種の方向性が見えてくるでしょう。

シニア世代で転職を決意して職探しをするとき、自分のスキルにあった職種を選びたいのが人情でしょう。しかし、若い世代の転職者も大勢いるなかで、自分にあった職種を見つけるのは至難の業です。ましてや、定年間近になってからの転職はアルバイト程度の仕事しかないのが現状なので、かなりハードルが高くなってしまいます。

それでも転職したい場合は、自分に何ができるのか、もう一度自分自身の棚卸をすることから始めてみてはいかがでしょう。

棚卸しといっても、けっして難しい作業ではありません。職務経歴書を書くわけではありませんから、A4版のメモ紙でもかまいません。具体的に自分のスキルを書き込むことが大切です。分かりきったことも漏れなく書き出しましょう。具体的な項目を以下に書き出してみます。

年齢、性別、住所地、電話番号、パソコンアドレス、家族構成、交友関係、希望の職種、勤務地の希望、身長、体重、体力的な強さ、持久力、性格、考え方、他人からどのように見られているか、取得した資格、仕事で身につけたスキル、趣味で身につけたスキル、コミュニケーション能力、特技、自由に使える金額、車やバイクの車種、工具類や資材、土地、建物、書籍の種類と構成。

書き出した項目だけでもかなりの数になります。どの項目も、自分では分かりきったことのように思っていますが、はたしてそれはどうでしょうか。人は、自分自身を客観的に見られない生き物です。例えば、体力的な強さや、持久力、性格、考え方、コミュニケーション能力などの項目は、自己評価が甘くなる傾向にあります。反対に、交友関係や身につけたスキルについての自己評価は辛くなりがちになるのではありませんか。

客観的に自分を知るには、他人の評価がどうしても必要になります。交友関係の中で、特に親しい友人などは、自分のことを客観的に見てくれる可能性があります。そのような友人に転職の相談を持ちかけて、具体的に書かれた自分の棚卸しを見せれば、希望の職種に向いているかどうかだけでなく、知人経由で職の斡旋をしてもらえる可能性もあります。また、自分の知らなかった一面も教えてもらえるかもしれません。

転職したい、というのと、転職するは雲泥の差

シニアの転職希望者は、多角的に自己評価して最適な職種を選択するしかありません。自分の生活の中で何を最優先にしたいのかも分からずに転職を希望しても、それは絵に書いた餅のようなものではないでしょうか。目指す目標と具代的な計画を持って、期日を切り、転職の道を探すべきでしょう。

肝心なことは、期日を切ることです。いつまでに、どのような職種に、どんな形で転職するのか決めてしまわないと、それはただの夢追い人になりかねないからです。そのためにも、しっかりと自分のスキルを棚卸しして、足りないスキルがあればそれを身につけて転職に臨むことが大切です。

シニアの転職では、ハローワークを使った職探しの方法には無理があります。知人の紹介や独立起業が具体的な目標になるでしょう。しっかりした目標と計画があれば、十分に転職は可能です。「したい」という希望と、「する」という実行では雲泥の差があります。シニアの転職では、そこの思い切りが一番大切なポイントになるのではないでしょうか。