よく聞かれるパソコン操作の話。上手く操作方法を伝えるためのコツ
まだまだ多い、パソコンが苦手な人
今やパソコンは、どの仕事でもなくてはならない存在になりました。しかし、それでもパソコンが苦手な人はどこにでもいます。
筆者も、以前の会社でコントロールパネルの解像度を調整したら「今何やったの!?」と、まるで魔法を使ったかのような驚き方をされたことがありました。知っていれば大したことではないのですが、知ろうとしないんですね。
実は意外と多いんです、こういう基本的なことがわからない人。いわゆる「中年」以上の方や、「○○課一筋××年」な人に多いです。特に営業さんや、後からパソコンが導入されたような部署はまず間違いなくいます。とはいえ、目くじらを立てても仕方ありません。
説明するときのNGワード
自分でわかっていることを他人に説明するとき、言ってはいけないことがあります。いろいろありますが、「このくらい誰でもできますよ」「何でわからないんですか」「常識ですけど」というような意味のことは絶対に言ってはいけません。
特に、年上の方に対してはなおさらです。年下にものを教わるのは、歳を重ねるほどプライドが傷つくもの。それに追い討ちをかけてしまうからです。「学校で習ったので」などに言い換えれば、「そうか、今の学校はすごいな」というように穏便に済みますよ。
正直、筆者もNGワードを言いかけたことは何度もあります。が、「前は事務だったので」と言って誤魔化していました。
わかりやすく説明するには
さて、では実際はどう説明すれば良いのでしょうか。コツは、一つステップを踏むたびに「区切る」ことです。以下に「エクセルでオートシェイプの円を描く」場合の良い例・悪い例を挙げます。
まずは悪い例から。
「下の丸のところをクリックして、びーってすれば描けますよ。ここをこうすれば大きくなったり小さくなります。色はこうやって、ここを選べば変わりますよ」
どうでしょう?文字だけで書いているので、余計わかりづらくなっていると思います。ところが、これをこのまま喋りながら目の前で操作しても、パソコンが苦手な人はわからないのです。
「へー、ありがとう」とお礼は言ってくれるかもしれませんが、後日また同じことを聞いてきます。こうなると教えるほうも教わるほうもストレスが溜まって仕方ありません。
良い例はこちら。
「下のところにある丸をクリックします」
「矢印が十字になったら、ドラッグすれば丸が描けます」
「大きさは、角の小さい丸にマウスを合わせて、クリックしたまま引っ張れば調整できます」
「色の変更は右クリックして、オブジェクトの書式設定を選びます」
「色と線のタブをクリックして、塗りつぶしのところで色を変えます」
上の例と比べて、こちらはいかがでしょうか。文字だけという点は同じですが、こちらの方が何となくわかりやすくありませんか?
やっていることは同じでも、ひとつずつステップを区切り、どこがどう変わるのかをはっきり言うと、こんなに違うんです。教わったほうも、「そういえば、この辺をいじってたな」「右クリックがどうとか言ってたな」と思い出しやすくなるのです。
できれば、教える側は説明だけにして、本人に操作してもらうようにしましょう。
簡単なマニュアルを作ってあげよう
でも、その場ではわかってもなかなか覚えられない人もいます。誰でも苦手なものは一度では覚えにくいものです。
何度も聞かれたり教える手間を省くには、簡単なマニュアルを渡すのが一番。難しく書いたり、写真をいちいち用意する必要はありません。
上の良い例で話したことを、そのままメモして渡せば良いのです。相手に伝わればいいので、きれいに「マニュアルらしく」作らなくてもいいんです。
私は以前の職場で、そうやって何回も聞かれるのを防いでいました。上司の目の前の壁に貼り付けたこともあります。一回か二回「これどういう意味だっけ?」と聞かれたことはありましたが、そのうち覚えてくれたようでした。
子供と同じ!?
実はこれ、子供にものを教えるときにも役立つ方法なんです。子供はわからないことだらけですから、一気に話をしても理解できません。
「上司や年長の方を子供扱いするのは失礼だ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、苦手分野は子供になったつもりで教わるほうが飲み込みが早いものです。
それに、はっきり「子供」と言ったり、赤ちゃん言葉でも使わない限りはバレません。ちょっとイラつく上司も、子供だと思えばそんなに腹が立たなくなりますよ。ストレスを解消するチャンスかも!?