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面倒だからという理由だけで闇雲に飲み会を断り続けると損をする?

「仕事とプライベートを混同したくありませんので…」最初が肝心とばかりに、社内での飲み会をばっさりと切り捨てる新入社員がいます。

本当にそんなタイプがいるのだろうか?と思っていましたが、実際に目の当たりにして納得しました。そこで周囲に聞き込んでみると、意外にちょこちょことそのようなタイプがいるんですね。

たぶん昔からそういう人はいたのだと思います。「あの人は変わり者だから…」と陰で言われてきたのでしょう。現代では変わり者ではない普通の若者がそういう反応を見せるから、違和感を強く感じてしまうのかもしれません。

飲み会に参加しない若者が増えている

飲み会は頑なに拒否して絶対に参加しようとしない。無理矢理連れ出されると、終始不貞腐れた顔をしてソフトドリンクばかりを頼み、アルコールは1滴も口にしない…。

自分は嫌なことを押し付けられている被害者のつもりなのでしょうが、間違いなくその場の雰囲気を悪くしています。別に社内でどう思われようと、会社の人間は友達じゃないから構う必要などない、という発想なのでしょうか。

実際のところ、上記のように身も蓋もない表現で「行かない」理由を説明する人が多いわけではありません。あからさまに「行きたくない」と言わないだけ、まだ分別があると思ってもいいのでしょうか。

アルコールが苦手だから。用事があるので。お金がありません。などなど、その言い訳には様々なものがあります。確かに、会社内での飲み会は面倒なことも多々あることでしょう。

会話の内容だってたいしておもしろくないものかもしれません。特に新人は周りが先輩だらけですから、気を使ってヘトヘトになるのがオチですし。

やっと仕事が終わったのに、なぜプライベートの時間までつきあわなければいけないのか?と、疑問に思っても不思議ではありませんし、おそらく先輩社員達もかつてはそう思っていたことでしょう。

友達となら騒げるけど、会社関係者の前では醜態をさらすわけにもいかないから楽しめるわけがない。お酌するなんて面倒臭い。お酌されるのも鬱陶しい。酔った勢いでセクハラでもされたらかなわない。

…まあ、飲みに行きたくない理由を挙げていったら、きりがありません。確かに気持ちはわからなくもないです。アルコールが入ると、信じられないほど鬱陶しくなるオジサンってけっこういますから。

それが上司だと、無下にも出来ず扱いに困った、などということは社会人なら誰しも経験のある話です。飲むとやたら説教臭いことばかり言い、さらにはその同じ話が何周もループする。正直、かなり鬱陶しいです。

ただしこれは年配者ばかりではありません。若い年代でもいるんですよ。説教というよりやたらと熱く持論を展開するタイプが。それはともかく…。

飲み会はコミュニケーションを増やすチャンスの場です

そういう普段とは違う面がでてしまう飲み会だからこそ、親しくなるチャンスにもなるわけです。アルコールが入って普段よりざっくばらんな雰囲気になると、人間はその相手に親しみを感じるものです。

会社の中にいる時にはあまり口にはできない内容を聞く機会だってあるかもしれません。そこですぐに愚痴を想像して変に構えてしまう人がいますが、別に悪いことばかりではないんです。

あの仕事はこういう経過をたどると、こういうリスクがあるから面倒だと思ってもこうした方がいい。あの得意先の担当者は神経質なところがあるから、これこれこういうやり方をすると機嫌を損ねる可能性があるから気をつけろ。

あの上司は機嫌が悪いと厄介だから、根回しするなら早めにしておけ。などなど、通常の業務中だったら聞けないような会話までがぽんぽん飛び交ったりします。それは、何もアルコールの力だけではありません。相手に共感を覚えたからこそ話せる内容なのです。

悪いことばかりではない飲み会

そして、なんとなくではあったとしても、少しでも親しみを覚えた若い社員がミスをしそうな可能性を見つけたとします。すると先輩社員の多くはそれをそのまま見過ごすことはできなくなるでしょう。それが情というものですから。

しかし、まったく交流を図ろうとしない相手に対しても同じような気持ちになるでしょうか。ミスをしそうなのに知らん顔をされる?

――いいえ、違います。

あなたがミスをするとかしないとか、そんなことに気づく機会すらありません。「誰もフォローしてくれなかった!」などと周囲を恨むのはとんだお門違いです。

そして会社の同僚や上司とかかわることを拒否したあなたの失敗を、誰が最終的にフォローしたり謝罪にまわるのか。それは、あなたが拒絶した人たちです。

飲み会を負担に思う気持ちは程度の差こそあれ、社会人であれば誰しも同じです。年をとってからも飲み会を面倒だと思うことなど、いくらでもあるものです。

もちろん飲み会が何より好きで相手の都合もかまわず強引に誘うような人もいるでしょう。しかしそれを上手に受け流したり、時には我慢してつきあうことで見えてくることもあるのです。

飲み会は人間関係を築く大事な機会

誰が自分の味方になってくれそうな人で、誰が敵になりそうか。そういう隠れた人間関係を探る良い機会でもあるという視点から見てみれば、飲み会につきあうことは悪いことばかりではありません。

自分はプライベートと仕事は絶対に分ける主義だし、仕事では細心の注意をはらうので別にフォローなどしてもらわなくてけっこうです。そういう主張をあくまでも通したい人は、組織には入らない方が自分のためだけではなく、周囲のためでもあるでしょう。