派遣登録に着ていく服装で条件の良い仕事を逃がしているとしたら?
「お気軽に登録してください」
たくさんの派遣会社がありますが、こんな謳い文句を並べているところをみかけることがあります。もちろん、派遣会社としては臆せず多くの人に登録に来てほしくて、このようなフレーズをつけるわけですが…。
この「お気軽」を「手抜きでOK」と勘違いしていると、知らず知らずのうちに良い条件の仕事を逃してしまうかもしれません。
派遣登録の時には、必要以上に緊張する必要などありません。しかしそれは緊張感に欠けてもいいという意味ではないのです。
緊張感に欠けた人の受け答えには真剣さが感じられません。それは時として「派遣」という働き方そのものを軽んじているように思われてしまうものです。そう思われたあなたに果たして「条件の良い仕事」の紹介があると思いますか?
そもそも、あなたが派遣会社に登録してみようと思ったのはどんな事情からでしょう。
失業中で新しい仕事を探している。在職中だが転職を考えている。現在の仕事の契約期間満了が迫っている。理由がどうであれ、『仕事』を探しているから派遣登録を考えたのであれば、真剣に取り組むべきなのです。
派遣登録をするために派遣会社を訪れる。
ほとんどの場合は、その時に初めてその派遣会社の社員と顔を合わせることになるでしょう。もうすっかり気心の知れたコーディネーターや担当営業がいるならいざ知らず、初めてその派遣会社へ足を踏み入れるということは、その時にあなたの第一印象が決まるということを忘れないでください。
登録にカジュアルな服装で行ってはいけない、というわけではありません。しかし、もしあなたの希望する職種が「一般事務」「営業事務」「秘書」などの、いわゆる事務系の仕事なのであれば、少なくともそのような仕事をしている姿がイメージできるような服装で登録に臨むべきです。
何もガチガチのスーツ上下を着て行けと言っているのではありません。ジャケットにチノパンなどでも充分に社会人としての清潔感を演出することはできるでしょう。
あまりに緊張感に欠けた人だと思われてしまうと、「この人は派遣スタッフとしては本気で働く気がないのかもしれない」と判断されても仕方ありません。
アウトドアにでも行くような格好で「金融関係の事務希望です」などと言われても、身の程をわきまえていないと判断されるのがオチでしょう。そうなれば事務職どころか他の職種も含め、条件の良い仕事の紹介はまず見込めないと思った方がよいでしょう。
派遣会社は職安ではありません。
派遣するスタッフの質が、そのまま派遣会社そのものの評価に繋がるのです。誰でも何でもいいからとりあえずスタッフを派遣する、などという雑なことをしていれば、企業からの依頼そのものが切られてしまうかもしれません。
民間企業はそういうところは大変にシビアですから、使えないところにいつまでもお金を払ってくれるほど甘くはないのです。
そんなことになれば派遣会社にとっては損失です。そのため派遣会社は真面目に一生懸命働いてくれるスタッフを確保するために必死なのです。
気軽に登録することは悪いことではありません。ためらわずにいくつもの派遣会社に登録し、あなた自身の目で複数の派遣会社を比較検討することはとても大切なことです。
しかし、登録の時、あなたが想像している以上のことがバックヤードで起きているかもしれない、ということを忘れてはいけません。
例えば…。
正社員としての職を探しているけれど、なかなか条件の良い仕事が見つからない。そこで派遣で働くことも視野に入れて登録に来たところ、希望する職種で正社員として紹介されることになった…。というケースもあります。
紹介予定派遣は一定期間派遣として勤務し、契約期間満了後、双方の合意の下で正社員に登用されるわけですが、上記の場合は派遣期間を設けずに、すぐに正社員として登用されたケースです。
企業としては一般公募で人材を探している暇はないけれど、条件にあう人材がいたら雇用したい、という要望に応えたケースです。求職者にとっても棚ぼたですね。
しかし、もし登録の時に「この人ならあの会社の求人に合っている、いける!」と判断されなければ、この棚ぼたは実現しなかったわけです。
手抜きをせずに登録に臨んだ結果ですから、その登録者の気構えが呼び込んだ成功と言ってよいのではないでしょうか。
楽をして「条件の良い仕事」が見つけられたら誰も苦労はしません。つまり、「そんな棚ぼたあるわけない!」と思っているうちは、良い仕事など見つけられるはずがない、ということです。
そして服装についての心がけはその第一歩。服装をきちんとすれば、自然に気持ちも引き締まるものです。どんなチャンスも逃さない。
そのぐらいの気合をもって、派遣会社を上手に利用してみると思わぬところで道は開けるかもしれませんよ。